もう一度作りたい
ふるさとの味、六兵衛(ろくべえ)
長崎県の南東部、雲仙普賢岳の麓、島原半島の東側に位置する南島原市深江町には、江戸時代から愛されるソウルフードがあります。江戸時代、島原半島が大飢饉に見舞われた際に、庄屋の六兵衛左衛門さんが、乾燥したさつま芋を粉末にして山芋を入れ、熱湯でこねてうどん状にしたものを作ったのが「六兵衛」の始まりといわれています。茶色で少し甘めの麺は独特な風味があり、苦手な人もいますが、今でも郷土料理として受け継がれています。
JA島原雲仙女性部深江支部は、毎年講習会を開催し、女性部の加工所では六兵衛まんじゅうを販売しています。今年度から、JA女性部の各支部長を対象とした研修で、今まで六兵衛を作ったことのない支部でも、郷土料理研修として六兵衛づくりに挑戦しようと計画していました。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響で、女性部活動自体が中止や延期を余儀なくされ、思うように活動ができない状態が続いています。
そうした中、少しずつでも活動を再開しようと、少ない人数でしたが、どうにか1支部で料理研修を開催することができ、六兵衛うどんと六兵衛まんじゅうを作りました。もちろん、念入りな消毒とマスク着用で感染防止に心がけながら。いつものように、沢山おしゃべりは出来ませんが、みんなで集まることができ楽しい時間を過ごすことができました。出来上がった六兵衛まんじゅうは、午後から開かれた支部長会議に持っていき試食しました。「落ち着いたらみんなで作りたいね」と話しています。
今後の活動は、人数制限や換気、消毒、マスク着用で行うなど、新しい生活様式に合わせた開催方法になりますが、これからも郷土料理の伝承に楽しみながら取り組んでいきたいと思います。